令和7年 年中行事

 

飛鳥時代に聖徳太子により開らかれた信貴山は、日本最古の「毘沙門天王」霊場として知られる祈りの山。玉蔵院は信貴山の山内塔頭として平安末期に創建。祈願寺として、また宿坊のあるお寺として広く親しまれています。

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令和7年 乙巳(2025年)1月

  新年明けましておめでとうございます。令和七・乙巳(きのとみ)  の年となりました。皆様方におかれましては、和やかな新年をお過ごしのことと存じます。

弁天様の御縁の年でもある巳年。巳は蛇に関系づけられる年ですが、仏教におきましても、蛇はよく登場する動物の一つです。

インドの言葉ではnāga(ナーガ)と呼ばれ、同時に象のことを指す言葉でもあるようです。

中国では、この語は竜と翻訳され、中国古来の想像上の動物である角や足のある竜と結びついたようです。

仏教文献の『過去現在因果経』、『根本説一切有部律』、また、マトゥラーやサールナートの仏伝彫刻には、お釈迦様が誕生された時に二つの竜王が温水と冷水を降らして、

お釈迦様に濯いだという話が描かれています。竜王が出てこない文献や彫刻もありますが、釈尊誕生の際、二筋の温冷水が釈尊に濯がれたことが、

ほとんどに描かれているようです。

また、このnāga=竜は、『法華経』などに説かれる天の八部衆の一つで、仏法を守護する神とされ、これは特にコブラを指すと言われます。

八部衆の中の摩睺羅迦(mahoraga)も蛇、大蛇であり、おそらくニシキヘビを神格化したものではないかとされています。

nāga=竜は、インドにおいては民間信仰の神であり、地底や沼・湖に住み、多くの竜王がいて、すさまじい生命のエネルギーを持ち、宝石や財宝を貯えていると信じられています。

また、雨や雲をつかさどり、暴風雨をもたらすものと恐れられ、同時に恵みの雨をもたらすものとして信仰されています。

それらが仏教やヒンドゥー教に取り入れられて様々に説かれています

我々は自然の中に暮らしてその恩恵を受け、時には災害を被ることがあります。自然の力は人知を超えており、人間が自然を完全に制御することはできません。

昨年は、日本各地、世界各地で災害が発生し、なお、不便な生活を強いられている方々がおられます。一刻も速い復旧・復興を祈るばかりです。

巳年をめぐって、そのようなことを考えさせられるこの頃です。

冬の信貴山も、身の引き締まる空気につつまれております。どうぞ、山の空気を吸いにいらしてください。

皆様方に今年一年、毘沙門天王様のご加護があらんことを日々祈願しております。                      合掌

 

 

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