鎌倉時代、興教大師覚鑁(かくばん)上人がこの山に参篭された時
毘沙門天さまよりありがたい摩訶不思議な玉「如意宝珠」を授けられ
この寺に蔵められたことから『玉蔵院』と呼ばれるようになりました。

国定公園内に位置する信貴山では、四季折々の自然を楽しめます。
春は梅、桜、夏は避暑、秋は紅葉と一年を通じて自然を満喫することができ
山を散策しながらお参り頂く事も出来ます。
一般の観光の個人や団体の方などお気軽にご利用ください。

平成29年7月1日

謹啓  梅雨の季節となりましたが、御信者の皆様方におかれましては益々ご清祥にてお過ごしのことと存じます。
 五月以降かなり暑い日も多かったですが、入梅し暑さも少し和らいだように感じます。
 最近の政治状況を眺めてみますと、我々の社会が未来に対する関心を高く保持することの難しさを感じます。今年の夏が地球温暖化による災害が少ないことを祈るばかりです。
 私事になりますが、先日の五月二十六日(金)のNHKテレビ「ごごナマ」という番組に出演いたしました。仏教の修行体験ができる寺院を紹介する特集の中、生放送で一〇分程の出演でしたが、玉蔵院で行っております修行体験のうち、阿息観(あそくかん)という観法(かんぼう)を出演者とともに行いました。
 御承知のように、お釈迦様は六年間の苦行の末、苦行を止め、菩提樹の下で瞑想し成道(悟りを開くこと)されてから、菩提樹周辺を移動しながら四十九日間瞑想されたと伝えらます。
日本の各宗派にもそれぞれの瞑想法があります。座禅と呼ばれるものは、禅宗系統が行い、以前から世界に広まっています。天台宗では止観(しかん)といいます。最近では、マインドフルネスという瞑想法も話題になって、医学的にも注目されています。
真言宗では観法と呼ばれます。阿息観では背筋を伸ばして座り、呼吸に意識を向け、ゆっくりと口から息を吐き、鼻から息を吸い、呼吸を数え、「あー」と吐く息とともに声を出すのです。呼吸に集中し、呼吸並びに阿(あ)という声が自分の心身と一体となり、そのことに集中するのです。さらに真言宗では、阿という文字は、宇宙の本源すなわち大日如来のことを示すのです。そのため、阿息観で行われていることは、自身の心身を落ち着かせるとともに、自身が宇宙の本源、すなわち大日如来と一体であることを観じてゆくのです。
われわれの命は多くの命や物事と関わっており、尚且つ、本来仏様と同じ性質を備え持っている。そのことを忘れずに、それにより安心を得て、心身を落ち着けて、物事をしっかりと見てゆくことができるのではないでしょうか。
お釈迦様から続く仏教は古いものですが、現代人が本当に何をなすべきか、落ち着いて何事も判断せよと、常に問いかけ、励ましてくれていると強く感じるこの頃です。
今年も暑い夏と予報されております。御体に十分お気を付けください。
信貴山は平地より幾分涼しいかと思います。山の木陰でゆったりとした時間をお過ごしいただけましたら幸いに存じます。
皆様方に毘沙門天王様の御加護があらんことをお祈り申し上げます。    合掌